大会長ご挨拶

第21回 日本核医学会春季大会のご案内

第21回日本核医学会春季大会
大会長 絹谷 清剛

第21回日本核医学会春季大会を、令和3年5月7日(金)~5月31日(月)の会期で、WEBにて開催いたしますのでご案内申しあげます。

令和2年に開催された第20回大会は、COVID-19感染の蔓延のため、急遽WEB開催としました。最終的に、例年以上の参加者を得ることができました。開催時にいただいたアンケート回答から、参加者の多くの方がWEB開催の利便性を感じておられる様が明らかとなりました。この結果に加え、その後もCOVID-19感染の終息は見えないことより、令和3年もWEB開催とすることを決定した次第です。一方で、WEBコンテンツの不具合など、何点か改善すべきことが明らかともなりました。第20回大会で経験したことをベースにしつつ、参加者の皆さんからご指摘いただいた難点を解消し、より意義のある大会とすべく、実行委員会で議論を進めています。第20回開催には準備が間に合わなかったアミロイドPET講習も、今回から新たに再開いたします。

国内では、セラノースティクス開発の機運がますます高まってきました。令和2年8月には神経内分泌腫瘍に対する核医学治療である177Lu-DOTATATEの製造承認申請がだされました。悪性褐色細胞腫に対する131I-MIBGも、この挨拶文を書いている現時点で申請に向けて当局と議論しているところです。さらに、新規90Y-抗体製剤による企業治験が開始され、211At-MABGやNa211Atによるアルファ線治療の医師主導治験としての準備が着々と進められています。また、国際的に広く応用されている68Ga-PSMAによる前立腺癌PET診断が医師主導で実施されていますし、68Ga-PSMA診断も177Lu-PSMAによる治療も、上市に向けた企業活動が活発化しています。従来、核医学診療とは無縁であった製薬企業が、核医学治療の開発を企図する動きが大きくなってきました。さらに、国内における放射性核種製造の議論も、徐々に高まってきています。

装置に目を転じると、デジタル装置やCT・MRI複合装置が徐々に普及しており、診断における臨床医へのアピール度が大きくなってきたように思います。装置の発展とともに、医師も放射線診療技師も学ぶべき事柄が増えてきました。核医学診療の発展と適正化には、すべての分野と等しく、あるいは他の分野以上に多職種での活動が不可欠です。核医学診療チームのレベルアップには、すべての業種の人が、新しい情報を得つつ、個々のレベルを高めることが不可欠です。その意味で、春季大会は情報の再確認やリニューアルに役に立つものと考えます。

末尾となりましたが、本大会の趣旨を理解していただき、サポートして下さる企業の皆様に深謝申し上げます。

では、みなさん、WEBでいっぱい学びましょう!

第21回 日本核医学会春季大会
大会長 絹谷清剛